アラフォー女性がwithで避けたい「恋愛詐欺」&見抜き方

アラフォー世代の婚活では、マッチングアプリが欠かせない存在になりました。中でも「with(ウィズ)」は、心理学的な診断を取り入れた相性重視の出会いが特徴で、多くの利用者から支持されています。

しかし、出会いが手軽になった一方で、残念ながら“恋愛詐欺”の被害も増加しています。特に40代女性は、人生経験が豊富で自立している一方、「最後の恋を信じたい」という心理的な隙を狙われやすいのです。

この記事では、実際の被害例や心理学的な分析を交えながら、アラフォー女性がwithで避けるべき恋愛詐欺の実態と見抜き方を解説します。また、後半では「信頼できる相手の見分け方」と「詐欺を防ぐ心の防御法」も紹介します。

◆なぜアラフォー女性が狙われやすいのか?心理的背景を分析

「恋愛詐欺」というと若い女性を想像する人も多いですが、実際の被害者は40代〜50代の女性が最も多いといわれています。理由は心理学的にも明確です。

第一に、アラフォー女性は「結婚したいけれど、時間的な焦り」を感じやすい年代。心理学ではこれを「タイムプレッシャー効果」と呼び、焦りが判断力を鈍らせる要因になります。

第二に、「もう一度、恋をしたい」という感情が強く働く時期でもあります。これを心理学では“自己回復欲求”と呼びます。過去の失恋や離婚経験を癒すため、無意識に「優しい言葉」や「共感的な態度」をくれる相手に心を開きやすくなります。

恋愛詐欺師は、こうした心理を熟知しています。彼らは「寂しさ」「信じたい気持ち」「共感してもらえる安心感」を利用して、心の中に入り込んでくるのです。

◆体験談:45歳女性・真理さんが体験したwithでの“甘い罠”

真理さん(仮名・45歳)は、バツイチで子どもが独立したのをきっかけに婚活を再開しました。利用したのはwith。心理テストで「誠実さ」を重視するタイプと診断され、安心して登録したといいます。

ある日、マッチングしたのは海外駐在中の日本人男性を名乗る「健司さん」。プロフィール写真はスーツ姿で、笑顔が爽やか。やり取りも丁寧で、「あなたの考え方に共感します」と共感を繰り返すメッセージに、真理さんは心を開いていきました。

「毎日のように『おはよう』『今日は寒いね』『無理しないでね』と連絡をくれて、本当に優しい人だと思いました。彼の方から“真剣に交際したい”と言われた時は、心が揺れました。」

しかし、2か月ほど経ったころ、「仕事でトラブルが起きた」と彼から連絡がきました。

「送金が遅れて困っている。日本の口座に少し送ってもらえないか?」というお願い。最初は断った真理さんでしたが、「後で必ず返す」「信じてほしい」という言葉に心が動き、10万円を振り込んでしまいました。

その後、連絡はぷっつり途絶え、健司さんのプロフィールも消えていました。

◆恋愛詐欺師が使う「心理的トリック」

恋愛詐欺の手口は巧妙です。特にオンライン上では、相手の表情や空気感が伝わりにくいため、文章で「信頼」を演出するテクニックが多用されます。

  1. 共感の繰り返し:「あなたと価値観が似てる」「本当にわかってくれる人に出会えた」と繰り返し伝えることで、心理的な親密さを急速に高めます。心理学では「ミラーリング効果」と呼ばれ、相手の行動や言葉を真似ることで好感を得る方法です。
  2. 未来をほのめかす:「結婚したら〜」「日本に帰ったら会いたい」など、まだ現実化していない“未来の約束”を繰り返すことで、被害者の脳内に「この人と将来がある」という幻想を植え付けます。
  3. 軽いトラブルを挟む:いきなりお金を要求せず、「クレジットカードが使えない」「仕事で送金が遅れている」など“小さな頼み事”から始め、信頼を積み上げながら徐々に金銭要求を強めます。
  4. 罪悪感を利用:「あなたにだけ頼める」「信用してる」と言って、断る側に“冷たい人”のような罪悪感を植え付ける。心理的圧迫で判断力を奪う手法です。

これらはすべて、心理操作の基本「フット・イン・ザ・ドア」と「感情誘導」の組み合わせです。最初は小さな頼みごとで信頼を得て、次第に大きな要求に発展させていくのです。

◆恋愛詐欺を見抜く5つのチェックポイント

では、どうすれば恋愛詐欺を見抜けるのでしょうか。以下の5つのポイントを意識するだけで、危険を大幅に回避できます。

  1. プロフィール写真が「完璧すぎる」
    モデルのような写真、海外の風景とセットになっている画像、ネット上で検索しても出てこない顔などは要注意。詐欺師の多くは他人の写真を流用しています。
  2. 会話のテンポが異常に早い
    マッチング後すぐに「運命を感じる」「君しかいない」と言うのは典型的な手口。恋愛詐欺師は“短期間で感情を燃え上がらせる”ことを狙っています。
  3. 会おうとすると理由をつけて断る
    「海外出張」「親の介護」「病気」などを理由に、オンライン上でしか話さない。これもよくあるパターンです。
  4. LINEなどに早く誘導する
    アプリ内で通報を避けるため、すぐにLINEやWhatsAppへ移行させるのが特徴です。安全なアプリ上でやり取りを続けましょう。
  5. 経済的な話題が出た時点で即ブロック
    どんなに親しくても「お金」「送金」「投資」「仮想通貨」などのワードが出たら、それは“詐欺サイン”です。感情を挟まずにブロック・通報が鉄則です。

◆心理学で理解する「詐欺にハマる脳のメカニズム」

恋愛詐欺は“頭でわかっていても止められない”のが特徴です。心理学的には「ドーパミン依存」と「認知的不協和」が関係しています。

ドーパミンとは、「期待」や「報酬」に反応する脳内物質。恋愛初期のメッセージのやり取りで分泌が高まり、相手からの返信や褒め言葉に中毒的に快感を感じるようになります。

また、「この人は怪しいかも」と思っても、すでに信じている自分との矛盾を避けたい心理(=認知的不協和)により、「彼はそんな人じゃない」と自分に言い聞かせてしまうのです。

つまり、恋愛詐欺に陥るのは“心が弱いから”ではなく、“脳が恋に依存状態になる”から。これは誰にでも起こりうる現象です。

◆Q&A:よくある恋愛詐欺の相談と専門家の回答

Q1. 「相手が海外にいて、帰国したら会おう」と言われています。本当でしょうか?

A1. 恋愛詐欺師が最も多く使うのが「海外勤務」設定です。距離を理由に実際に会えない状況を作り、やり取りだけで信頼を得ようとします。3か月以上会えない相手は基本的に疑ってかかるべきです。

Q2. 「投資を一緒にやろう」と誘われました。

A2. 100%詐欺です。特に「特別なルートがある」「短期間で儲かる」という言葉が出たら即ブロック。婚活アプリの目的は恋愛・結婚であり、“投資”の話が出ること自体が不自然です。

Q3. 「家族の事情で助けてほしい」と頼まれました。どうすべき?

A3. 金銭的援助を求めてくる時点で赤信号です。本当に誠実な人なら、お金ではなく「信頼」を積み重ねようとします。相手の言葉より“行動”を見てください。会う努力をしない人、話をそらす人は要注意です。

(→第2部に続く)

◆実際の被害例から学ぶ「恋愛詐欺」チェックリスト

ここからは、実際に報告された被害事例をもとに、恋愛詐欺を事前に察知できるチェックリストを紹介します。これらのサインのうち、3つ以上当てはまる場合は危険信号です。

  1. プロフィール情報が具体的すぎる/完璧すぎる
    勤務先・役職・海外の都市名・高収入などが細かく書かれている場合、それは「信頼を得るための設定」である可能性があります。詐欺師はリアリティを演出するため、あえて細部まで作り込みます。
  2. 恋愛ペースが異常に早い
    数日で「愛してる」「運命を感じた」「一生大事にする」などの言葉を使うのは典型的な詐欺パターン。心理学的には「吊り橋効果」と同じく、強い感情を一気に刺激することで依存を作り出します。
  3. ビデオ通話を避ける
    「カメラが壊れている」「通信環境が悪い」と言い訳して、顔を見せないケースは高確率で詐欺。実際の詐欺師は別人の写真を使っているため、顔を見せられません。
  4. メッセージの文章がどこか不自然
    翻訳アプリを使ったような日本語、敬語や語彙のズレも要注意。「とてもあなた優しい」「幸せなる願ってます」など、文体の違和感があれば危険です。
  5. 家族や仕事のトラブルを理由にする
    「母が倒れた」「会社の資金が止まった」「荷物が税関で止められた」など、感情に訴えるストーリーを作るのが定番手口です。

これらのサインを“感情”ではなく“データ”として冷静に観察することが、被害を防ぐ第一歩です。恋愛詐欺は「心のスキ」に入り込みます。信頼したい気持ちを悪用されないよう、あらかじめ警戒線を引いておきましょう。

◆心理的防御法:信じる心と疑う目のバランスを保つ

恋愛は信頼の上に成り立ちますが、オンライン婚活では「疑う力」も必要です。心理学ではこれを「批判的思考(クリティカル・シンキング)」と呼びます。信じる前に「なぜこの人はこう言うのか」「この発言の目的は何か」を考える習慣を持ちましょう。

たとえば、次の3つのステップを意識するとバランスが取れます。

  1. 感情を一晩寝かせる
    恋愛詐欺師は「今すぐ」「急いで」と迫ります。心理的な“即断”を避けるため、嬉しい言葉やお願い事を受けたら一晩考えてから返事をするルールを設けましょう。
  2. 第三者の目を借りる
    恋愛中は客観的な判断ができにくくなります。友人や家族にメッセージ内容を見せるだけでも、冷静な視点が戻ります。
  3. アプリ外でのやり取りを急がない
    LINEやメールへ移行する前に、相手を十分に観察しましょう。withのように安全管理が行き届いたアプリ内でやり取りを続けることが、最大の防御です。

恋愛は感情のやり取りですが、“信頼”は行動の積み重ねでしか測れません。焦らず、相手の発言と行動の一貫性を確認していく姿勢が重要です。

◆被害を防ぐための「心のスキル」5選

恋愛詐欺を防ぐには、ただ警戒するだけでは不十分です。大切なのは、「冷静に感情をコントロールできる心の筋力」を育てること。ここでは、心理学的に有効とされる“心のスキル”を紹介します。

  1. 自己肯定感を高める
    「自分には価値がある」という感覚が低いと、相手の褒め言葉に依存しやすくなります。毎日「今日も自分はよくやった」と声に出して言うだけでも、自己肯定感が上がります。
  2. 「安心」と「依存」を区別する
    相手と話すことで落ち着くのは安心ですが、「相手がいないと不安」と感じたら依存のサイン。心理的な距離を意識して保ちましょう。
  3. 恋愛以外の自己充実を持つ
    仕事・趣味・友人関係など、恋愛以外の世界がある人は詐欺被害に遭いにくいです。なぜなら「恋愛だけが自分のすべて」にならないからです。
  4. 不安を感じたら即行動
    「なんか変だな」と思った瞬間にブロック・通報する勇気を持ちましょう。感情よりも行動が先です。
  5. 小さな違和感を無視しない
    心理学的には「第六感」と呼ばれる勘は、過去の経験から導かれる“潜在的データ分析”です。自分の直感を軽視しないでください。

これらのスキルは、恋愛だけでなく、人生全般で役立ちます。特に婚活では、「選ぶ力」と「見抜く力」が同じくらい大切なのです。

◆体験談②:48歳・理恵さんが詐欺を回避できた理由

理恵さん(仮名・48歳)は、2年前にwithを通じて詐欺未遂を経験しました。

「相手は50歳の自称・貿易会社経営者。最初は誠実そうで、価値観も合いそうでした。でもある日、『ビジネスの投資を手伝ってほしい』と言われた瞬間、違和感を覚えたんです。」

理恵さんは、過去に友人が詐欺被害に遭っていた経験があり、すぐに「もしかして」と感じたそうです。

「彼が使っていた写真をネットで検索したら、全く別の外国人モデルの画像が出てきました。その瞬間、ゾッとしました。」

理恵さんはすぐにブロックし、アプリ運営に通報。その後、withの安全対策チームから「詐欺目的アカウント」として削除されたとの連絡を受けました。

理恵さんはこう語ります。

「相手を信じたい気持ちはわかります。でも、“信じる”と“依存する”は違う。自分の心を守るのも、婚活の一部だと思います。」

◆詐欺を防ぐ「通報・相談のステップ」

もしも「もしかして怪しい?」と思った場合、次のステップで安全に対応しましょう。

  1. 証拠を保存する
    メッセージ・スクリーンショット・送金履歴など、削除せずに保管しておきます。
  2. アプリ運営に報告する
    withには「通報機能」があります。プロフィール右上のメニューから「違反報告」を選択してください。
  3. 警察に相談する
    最寄りの警察署やサイバー犯罪対策課に連絡しましょう。実際の被害がなくても「未遂」での相談が可能です。
  4. 誰かに話す
    一人で抱え込むと冷静な判断ができません。友人・家族・婚活仲間に話して客観的な意見をもらいましょう。

詐欺師は“沈黙”を利用します。被害を公にしないことで、次のターゲットに移るのです。あなたの行動が、他の人を救うことにもつながります。

◆心理学的視点で見る「本物の愛」と「偽物の愛」の違い

恋愛詐欺を防ぐ最大の方法は、“本物の愛”を見極めることです。心理学的には、信頼できる相手は以下の3つの特徴を持っています。

  1. 時間をかけて関係を築こうとする
    急がず、会話を重ねて理解を深めようとする人は信頼性が高いです。即効的な感情表現ではなく、“積み重ね”を大切にします。
  2. 言葉より行動で示す
    誠実な人は「愛してる」と言うより、「あなたを安心させたい」と行動します。小さな約束を守る人が、本当に信頼できる人です。
  3. あなたの自由を尊重する
    詐欺師はコントロールしようとしますが、本物の愛は「選ぶ自由」を与えます。束縛や過剰な連絡がない関係こそ健全です。

恋愛心理学の観点から言えば、“信頼関係は疑いの上に築かれる”ともいえます。相手を盲目的に信じるのではなく、「信じるに値するか」を冷静に観察する目を持ちましょう。

◆Q&A:詐欺を避けながら本物の出会いを見つけるには?

Q4. 疑いすぎて、素敵な人まで逃してしまいそうです。

A4. 疑いすぎる必要はありません。重要なのは“時間をかけること”です。誠実な人ほど、あなたが慎重であることを理解してくれます。信頼とは、焦らずに築くものです。

Q5. 安心できる出会い方のコツはありますか?

A5. まず、プロフィール写真・自己紹介文を丁寧に読むこと。そして、メッセージのテンポが自然かどうかを観察してください。あなたの質問に誠実に答える人、過去の話を避けない人は信頼できます。

Q6. 被害に遭った友人が「もうアプリ婚活は怖い」と言っています。

A6. 恐怖心は自然な感情ですが、正しい知識を持てば安心して婚活できます。アプリ側の安全対策も年々強化されています。詐欺師の手口を知っていれば、むしろあなたが“見抜く側”になれます。

◆まとめ:恋愛詐欺を防ぐために今日からできること

  • ①「急な愛の告白」「お金の話」が出たら即ブロック
  • ② 「感情」ではなく「行動」で相手を判断する
  • ③ 疑問を感じたら、一晩置いて冷静に考える
  • ④ 自己肯定感を上げて、褒め言葉に依存しない
  • ⑤ with内でのやり取りを続け、アプリ外へ誘導されない

アラフォー女性の婚活は、「焦り」と「希望」の間で揺れ動く繊細な時期です。だからこそ、優しい言葉や共感のメッセージに心を奪われやすいのです。しかし、あなたの幸せは“本当の誠実さ”の中にしかありません。

恋愛詐欺を防ぐ知識を持つことは、あなた自身を守る力を持つこと。そして、本物の愛を引き寄せる準備でもあります。

◆最後に:心を守ることは、幸せな結婚への第一歩

婚活のゴールは「愛されること」ではなく、「安心できる関係を築くこと」です。どんなに魅力的な言葉を並べられても、心が不安定になる相手とは距離を置きましょう。

あなたの人生を変えるのは、“運命の人”ではなく、“自分を大切にする選択”です。焦らず、疑いすぎず、そして何より、自分を信じてください。

等身大のあなたを受け止めてくれる人は、必ず現れます。恋愛詐欺を見抜く知恵と、冷静な心を持って、安心できる婚活を続けていきましょう。

(完)

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